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筋肉痛は歳を重ねると2日後に来るのは本当なのか?
トレーナーコラム
2024.05.19
慣れない運動を行った時や強度の高い運動をした場合に、大多数の人が一度は筋肉痛を経験しているのではないでしょうか。
特に、歳を重ねると「筋肉痛は2日後にやってくる」という話を耳にすることが多いです。
しかし、これは本当なのでしょうか?
今回は筋肉痛が遅れて現れる理由と、その背景にある科学的根拠、そして「歳をとると筋肉痛は2日後にくる」という主張が正しいかどうかについて詳しく解説します。
目次
【遅発性筋肉痛(DOMS)のメカニズム】
まず筋肉痛について理解するために、遅発性筋肉痛(DOMS: Delayed Onset Muscle Soreness)のメカニズムを説明します。
DOMSは、運動後24時間から48時間の間に最も強く感じられる筋肉の痛みや不快感を指します。
この痛みは、特に慣れない運動や激しい運動を行った後に現れます。
【遅発性筋肉痛の原因について】
DOMSの主な原因は、通常の筋肉痛と同じく筋繊維の微細な損傷と炎症反応です。
まずは以下で、筋肉痛になる原因について説明をしていきます。
①筋繊維の損傷
高強度の運動や慣れない動作によって、筋繊維に微細な損傷が生じます。
特に、エキセントリック収縮と言われる筋肉が引き伸ばされながら収縮する運動でこの損傷が顕著に現れます。
②炎症反応
筋繊維の損傷に続いて炎症反応が起こることで、免疫細胞が損傷部位に集まって炎症している部位の修復が開始されます。
この際に分泌される炎症性物質(サイトカインなど)が神経を刺激して痛みを引き起こします。
③体液の貯留
筋肉の過度な使用や損傷で炎症反応が起こると、炎症性物質や白血球が損傷部位に集まりまることで血管から漏れ出た体液が周囲の組織に溜まりって、浮腫(むくみ)を引き起こします。
【DOMSの時間経過】
DOMSの痛みは通常、運動後12〜24時間で始まり、24〜72時間でピークに達します。
その後、徐々に軽減して通常は5〜7日で完全に回復します。
この時間経過が「筋肉痛は2日後に来る」という通説の背景となっていますが、筋肉痛が遅れてくるのは年齢との因果関係はないと言われています。
筋肉痛になるのが早いか遅いかの要因は運動強度で、筋肉痛が遅く現れる場合は運動強度が低いこと行った時に起きます。
年齢を重ねると飛んだり跳ねたりなどの激しい運動はしなくなるので、運動強度が低いことを行って遅れて筋肉痛になっていることが考えられるので、いつもより運動強度が高いことを行うと即筋肉痛が出ると考えられます。
【加齢による筋肉の変化】
加齢に伴う筋肉の変化は、一般的に「サルコペニア」と呼ばれ、加齢による筋肉量の減少や筋力低下を指していて通常30歳前後から始まり、年齢を重ねるにつれて進行します。
サルコペニアは、身体機能の低下や日常生活の制約をもたらすので高齢者の生活の質に大きな影響を与えます。
筋肉の変化はいくつかの要因によって引き起こされ、特に成長ホルモンやテストステロンの減少が大きな要因です。
また、運動不足や乱れた食事内容でも筋肉量の減少を促進してしまいます。
さらに、加齢に伴う慢性的な炎症(炎症性サイトカインの増加)も筋肉の分解を促進する一因とされています。
【DOMSの管理と予防】
DOMSを完全に避けることは難しいですが予防対策として、いくつかの方法でその影響を軽減することが可能です。
①ウォームアップとクールダウン
運動前のウォームアップと運動後のクールダウンは、筋肉の損傷を減少させるために重要です。
ウォームアップにより筋肉の温度を上げて柔軟性を高めることで、運動による損傷を防ぐことができます。
クールダウンは筋肉の回復を促進し、DOMSの痛みを軽減する効果があります。
②漸進的な運動負荷の増加
新しい運動プログラムを始める際や運動強度を上げる際には、漸進的に負荷を増やすことが重要です。
急激な負荷の増加は筋繊維の損傷を引き起こしやすく、DOMSを誘発します。
徐々に負荷を増やすことで、筋肉が順応しやすくなり、DOMSの発生を抑えることができます。
③ストレッチングとマッサージ
運動後のストレッチングやマッサージは筋肉の血流を促進して、回復を助ける効果があります。
特に、軽いストレッチングやフォームローラーを用いたセルフマッサージが効果的です。
④栄養と水分補給
適切な栄養と水分補給も筋肉の回復には不可欠です。
たんぱく質は筋肉の修復に必要な栄養素なので、必要な炭水化物の補充も筋肉の回復に役立ちます。
また、十分な水分を摂ることで筋肉の代謝プロセスが円滑に進み、DOMSの軽減につながります。
【結論】
「歳をとると筋肉痛は2日後にくる」という主張には、一部の真実と誤解が混在しています。
筋肉痛(DOMS)は運動後24〜72時間でピークに達するため、このタイミングが「2日後」と表現されることがあります。
しかし、年齢そのものが痛みの発現時間に直接影響を与えるわけではありません。
DOMSを完全に避けることは難しいですが、適切なウォームアップ、クールダウン、栄養補給、漸進的な運動負荷の増加などの対策を講じることで、その影響を軽減することが可能です。
年齢に関わらず、適切な運動習慣を維持し、健康的な生活を送ることが重要です。

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