健康ブログ
日本の健康指針における筋トレ推奨の理由とは?
トレーナーコラム
2024.09.19
我が国、日本は国民の健康を守るための政策として健康づくりのための身体活動・運動ガイドが策定されています。
この運動ガイドの中では、日常生活の中に運動を取り入れることが強く推奨されていますが、特に近年は筋力トレーニングの重要性が注目されています。
この記事では、日本の健康指針で筋トレが推奨される理由を具体的な背景と科学的根拠を交えながら解説していきます。
筋トレの基本的な意義
筋トレとは、筋肉に負荷をかけることで筋力を高める運動のことです。
代表的な筋トレとしてスクワットや腕立て伏せ、ダンベルやバーベルを使ったトレーニングなどが挙げられます。
筋トレは全身の筋肉を効果的に鍛えることで、体力の向上や代謝の改善、そして身体の機能性を高める役割を果たします。
筋力は日常生活を送る上で不可欠な組織です。
物を持ち上げたり、階段を上がったりといった動作には筋肉の働きが欠かせません。
加齢とともに筋力が低下してしまうと、上記のような日常生活の動作が困難になるだけでなく、転倒や骨折のリスクが高まってしまうので生活の質が著しく低下することがあります。
筋トレ推奨の背景
日本は世界有数の高齢化社会の国です。
平均寿命が延びる一方で、健康寿命を長くする取り組みや対策が注目されていて、自分の足で歩いたりなど自立して生活できる年齢を維持することが重要視されています。
健康寿命が短くなる原因の一つとして、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)が挙げられます。
ロコモティブシンドロームとは、骨や筋肉、関節などの運動器の機能が低下して自立した生活が困難になる状態を指します。
これを予防するためには、筋力を維持したり関節の可動域を保つことが必要です。
特に筋肉量は成長期をピークに、40歳を過ぎるとさらに減少しいきやすくなり、80歳代では20歳代の半分程度の筋力になってしまうと言われています。
このようにロコモティブシンドロームを防ぐために、筋トレが重要な役割を果たします。
生活習慣病予防と筋トレ
日本の健康指針において、筋トレが推奨されるもう一つの理由として、生活習慣病の予防効果があります。
生活習慣病には、糖尿病、高血圧、高コレステロール症や心臓病などが含まれますが、これらの病気は運動不足や肥満が主な原因となっています。
筋トレを行うことで筋肉量が増えると、基礎代謝が向上しますので、一日あたり消費されるエネルギー量が増加しますので、体脂肪の減少や血糖値の改善が期待できます。
結果として生活習慣病の予防や改善につながります。
特に血糖値が高い状態が続いているなどの肥満の改善には、筋トレが効果的であることが多くの研究で示されています。
また、筋トレは骨密度の向上にも効果があるとされています。
骨密度が低下すると骨粗鬆症のリスクが高まるので、骨折のリスクが高まる原因になります。
重量をかける筋トレ運動を行って、骨に適度な負荷をかけることで骨の形成を促進されますので、骨密度が増加して骨が強くなることが期待されます。
精神的健康への効果
筋トレは、身体的な健康だけでなく、精神的な健康にも良い影響を与えることが知られています。
運動そのものがストレス解消、集中力や認知機能を向上させる効果があることは多くの研究で示されていますが、筋トレは特に自己肯定感の向上や鬱症状の改善に効果があるとされています。
筋トレをしていると今まで持ち上がらなかった重量が持ち上がるようになったり、筋肉がついたなどの身体の変化を実感を得ることで、達成感や自己肯定感が高まるのでポジティブな感情を引き出すことができます。
また、筋トレ後に分泌されるエンドルフィンというホルモンは「幸福ホルモン」とも呼ばれ、心の健康を支える役割を果たします。
日本の健康指針が身体的健康だけでなく、精神的健康の維持にも注目しているのは、こうした科学的な根拠に基づいているのです。
日本の健康指針における筋トレの位置づけ
厚生労働省は、国民の健康増進を目指して「健康日本21」や「アクティブガイド」といった政策を策定していて、国民に向けて運動の推奨を行っています。
特に「アクティブガイド」では、筋トレやスポーツをすることを勧めていて、今より10分多く体を動かそう」をメインメッセージを発しています。
ここで、ロコモティブシンドロームに対しての予防意識が高まったかと思いますが、普段運動していない人や高齢者の方は筋トレや運動そのものをするハードルが高く感じている方も少なくないかと思います。
まずは自宅でできる簡単なエクササイズをしたり、パーソナルトレーナーのサポートを受けることで、筋トレを含めた運動習慣の定着がしやすいのでオススメです。
誰でも始められる筋トレの実践法
筋トレはジムに通わなければできないというイメージを持つ人も多いかもしれませんが、実際には自宅で手軽に始めることができます。
例えば、スクワットや腕立て伏せなどの自重トレーニングは、特別な器具がなくても全身の筋肉を効果的に鍛えることができます。
特に初心者にとって重要なのは、無理をせずに少しずつ運動強度を上げていくことです。
筋肉痛が出た場合はしっかりと休養を取るようにして、身体を回復させることも大切です。
また、筋トレと有酸素運動を組み合わせることで、より効果的に体力を向上させることができます。
まとめ
日本の健康指針で筋トレが推奨される理由は、単なる筋力アップや見た目の変化だけでなく、健康寿命を長くしたり生活習慣病の予防、精神的な健康の維持など、多くの効果があるからです。
筋トレは特別な道具や環境がなくても始められるため、日常生活に無理なく取り入れることが可能ですので、健康的な生活を送るためにも、ぜひ筋トレを生活の一部に取り入れてみてはいかがでしょうか(^ ^)/
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